column 院長からの一言

院長からの一言

関節リウマチと似た疾患について
関節リウマチの代表的な症状には、朝のこわばり、関節痛、関節の腫れなどがあります。
しかし同じような症状をきたす他の疾患として、関節症状を伴う膠原病、痛風、感染症、更年期障害、線維筋痛症、変形性関節症、バネ指(弾発指)などがあげられ、関節リウマチとの区別が難しい場合もあります。医療機関を受診し、症状の確認だけでなく、血液検査、レントゲン、関節超音波検査などを受けることで、専門医に総合的に判断してもらうことが大切です。
関節リウマチは動脈硬化が進行しやすい
関節リウマチの患者さんは動脈硬化が進みやすく、2型糖尿病と同程度のリスクがあると言われています。
またリウマチがあると健康な方と比べて10歳も血管年齢が老化するという研究結果もあります。リウマチは 関節だけの病気ではなく、炎症が全身の血管に及ぶことで動脈硬化が進みやすいのです。リウマチの 代表的な治療薬であるメトトレキサート(MTX)や抗TNF阻害薬による治療が動脈硬化性疾患の発症リスクを 約30%下げることが報告され、注目されています。動脈硬化を防止するには、禁煙、運動、食事に加え、 血圧、血糖、脂質など生活習慣病のコントロールはもちろんのこと、リウマチの治療を行うことで炎症を抑えて 疾患コントロールしていくことが重要です。
高齢者の心不全について(息切れやむくみは年のせいではないかも)
急速な高齢化が進行する中で、世界中で心不全の罹患患者が増加しています。
我が国でも120万人以上の患者がいるとされ、心不全患者さんの平均年齢は80歳を超えています。
「心不全」は死因としてよく目にしますが、病気の名前ではなく、心臓に何らかの異常があり、心臓のポンプ機能が低下して、全身の臓器が必要とする血液を十分に送り出せなくなった状態をいいます。
心臓は無理して血液を送り出そうとしますが、こうした状態が続くと、心臓はやがて疲れて息切れや動悸、むくみが起こります。
このように、心不全は心臓のさまざまな病気(心筋梗塞、弁膜症、心筋症、不整脈など)や高血圧などが原因で起こります。
心臓病による死亡者数はがんに次いで大きく、重症化した心不全の予後は「がん全体よりも悪い」といわれることもあります。
高齢者の方では心不全による入院を繰り返すことが多く、これが寝たきりの原因となり、生活の質も著しく低下させるため、注意が必要です。
息切れや動悸などの症状があっても「年のせい」と思い込んで、そのままにしていませんか?
気になる症状があれば、医療機関を受診しましょう。
栄養状態にも気を配りましょう
ヒトの体に備わっている免疫は、感染症をはじめ多くの病気と深くかかわっております。
和食のようなバランスのとれた食事で栄養素をまんべんなく摂取することが、 免疫力のアップにつながると考えられており、現在見直されております。
栄養状態の悪化は免疫力に影響し、 特に高齢者で重度の栄養不良があるとワクチンの効果が得られにくくなることが知られており、 気をつける必要があります。
健康的な生活を心がけていきましょう
コロナ渦で外出自粛が長引いたことで、自宅に引きこもる高齢の方が増えており、 体調を崩されるケースが目立っています。高齢者は体を動かさないと筋力が低下し、 心身や脳の機能が低下していき、手助けや介護が必要となってきます。予防のために、 日頃から感染防止に気をつけながら散歩に出たり、家の中でも家事などで座っている 時間を減らす、ラジオ体操をする、人と会話する機会を持つなどして、健康的な生活を 心がけていきましょう。
花粉症を迎える時期になりました
本格的な花粉症を迎える時期になりました。くしゃみによる周囲へのウイルス拡散や、 鼻や目をこすることで、コロナの感染リスクが高まることが懸念されております。
対策として基本的なマスク、手洗いに加え、花粉を通しにくい網戸などを使用した換気もすすめられています。
また発症前に薬を使用する方が有効性が高く、今年は特に症状を抑える対策が重要です。
毎年悩まされる方は早めに医療機関を受診しましょう。
乾燥対策につとめましょう
寒い冬の時期は乾燥するため、体調を崩しやすく、また肌荒れが起こりやすくなります。 特に暖房は湿度を低下させるため、室内に加湿器を置くなどして乾燥対策につとめましょう。
運動習慣をつけましょう
寒さも厳しくなり、コロナ渦で自宅にこもりがちな時間が多い今日この頃ですが、 長時間座りっぱなしの生活は健康によくありません。定期的にストレッチをしたり、 生活の中でこまごまと動く量を増やすなど、運動習慣をつけることを意識してみましょう。
換気をしましょう
コロナ渦で感染対策のための換気が推奨されています。
冬シーズンでも換気が必要ですが、暖房をつけながら 複数の窓を少しずつ開けて常時換気しておくことで、 室温を保ちながら換気することができます。
できるだけ工夫をしながら寒さの厳しい冬を乗り切りましょう。